怪物の見分け方(競馬)

怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4〜1/2馬身差になります。怪物の一例は、ディープインパクト、アーモンドアイ、グランアレグリアです。

天皇賞秋2022回顧

1着イクイノックス。皐月賞、ダービーとも最後の詰めが甘い感じでしたが、今回は最後まで頑張って力を出し切ったと思います。最終追切り後に太田助手が「以前より道中のハミがかりが良くなっているので、レースでもジョッキーが思うようなポジショニングを取りやすいのでは」とコメントしているように競争意欲が増していたようです。また、最終追い切り後に木村調教師が「背丈や肩回りの筋肉に春からの成長を感じる半面、体質や背腰に物足りなさもある」とコメントしていますが、そうであっても競馬で力を出し切ることに支障はないと思います。なお、競馬で力を出し切った後の回復力に差は出るとは思います。イクイノックスは、ダービーでレースぶりとジョッキーのレース後コメントから判断して完全ではないもののかなりの程度力を出したと思います。そして、戦績から判断して怪物ではない1着ドウデュースとクビ差に近い結果でした。したがって、イクイノックスも怪物ではないだろうと思います。ちなみに、イクイノックスについて鞍上のルメール皐月賞時に「ポルシェパナメーラ」と、怪物グランアレグリアと怪物アーモンドアイについて以前に「ポルシェ911」と「フェラーリ」とそれぞれ例えています。車のことは詳しくありませんがポルシェ911フェラーリの方が速そうだと思います。そして、私が知る限り、この中間及びレース後にイクイノックスが怪物であることを示す陣営等のコメントは見当たりませんでした。なお、レース直後に鞍上のルメールが「道中はパンサラッサを見ていなかったが、直線に向いて見たら、15馬身くらいあって心配した」とコメントしてる通り、ジョッキーは自身の体内時計に従ってペース等を見計らいながら競馬するものなのかなと改めて思いました。

2着パンサラッサは、イクイノックスと1馬身差なので力を出し切っていない(出し切ることができていない)と思います。そして、記録上は0.1秒差となっていますが、0.2秒差とするべき所だと思います。レース直後に吉田豊ジョッキーは「最近は最初モタモタするところがあったが、今日は出てくれた。枠も良く、そのまま行かせてハイペースだと思ったが馬の気分に任せてレースを進めた」とコメントしていますが、今回のように後続を引き離してぶっ飛ばすよりも、ドバイターフ2022や前走の札幌記念2022のようにできることならタメ逃げした方が最後まで頑張って力を出し切る確率が高くなるのではないかと思います。

3着ダノンベルーガ。イクイノックスとは11/4馬身差くらい。パトロールビデオも見ると直線で進路を確保するために内や外に行っているので、まっすぐ走ることができていればもっと差は詰まったと思いますが、そうであってもイクイノックスのクビ差まで迫ることはできなかったと思います(ダノンベルーガは、今回の1週前追い切り後に「息が荒かった」こと等から判断して怪物ではないと思います)。つまり、ダノンベルーガは力を出し切っていないと思います。共同通信杯で強い競馬を見せた時は外を回る形だったので、道中を馬群で競馬をして直線でも馬をさばいてくる競馬だったことが影響した可能性があると思います。なお、レース直後に川田ジョッキーは「これまで乗った中で一番具合も良く、道中のリズムも良かった」とコメントしてるので状態面に問題はなかったと思います。

4着ジャックドールは、イクイノックスと慣れない末脚比べの形になっては分が悪かったと思います。

シャフリヤールは、良い形で競馬できて直線で伸びてくるだけでしたが、伸びあぐねて5着。今回は4ヶ月半ぶりのレースでしたが、4ヶ月ぶりのレースだったドバイシーマクラシック2022を逃げ馬直後の内ラチ沿いから競馬して勝利しているし、レース前日に藤原調教師が「状態は申し分ない」とコメントしているので、精神面が原因の凡走だと思います。なお、前走のプリンスオブウェールズステークス2022も外を回る形で直線で全く伸びなかったし、馬群や内ラチ沿いで競馬した方がいいタイプなのかもしれません。

ジオグリフは着外。レース直後に福永ジョッキーは「スタートを上手に出てくれてシャフリヤールを見ながらいいポジションで流れに乗れた。直線は前が開いていたが、頭を上げて割っていくことができなかった。体が増えていてコンディションは良かった」とコメントしています。道中は馬群での競馬だったし、直線では馬の間を割ってくる必要があったので、皐月賞札幌2歳ステークスのように外を回るほうがいいタイプなのかもしれません。

※参考 怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4から1/2馬身(0.1秒)差になります。怪物同士あるいは怪物ではない馬同士が力を出し切った場合、どちらの場合も同着あるいはハナ、アタマ、クビ差(0.0秒差)になります。クビ差は「対象馬のハナ先が1着馬の胸先からアタマの間」と判断しています。そして、ハナ差とクビ差あるいは3/4馬身差と1/2馬身差等は、力を出し切った場合でもペースや位置取りの差等から生じる誤差の範囲内だと思います。なお、馬は体が大きくてパワーがあること等から判断すると、現代の競馬の斤量差では、力を出し切ることすなわち着差に影響を与えることはほとんどないと思っています。ライオンボスとジョーカナチャンがワンツーフィニッシュした韋駄天ステークス2020とアイビスサマーダッシュ2020は、斤量差を度外視できることを証明していると思います。また、JRA田辺裕信ジョッキーは2021年7月に「乗っていて、斤量が軽いからよく動くとか、重いから反応や動きが鈍いと感じることは、ほぼないかな」とコメントしています。