怪物の見分け方(競馬)

怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4〜1/2馬身差になります。怪物の一例は、ディープインパクト、アーモンドアイ、グランアレグリアです。

秋華賞2022回顧

1着スタニングローズは、5、6番手の外からスムーズに競馬し、残り200メートルを切って先頭に立つとそのまま押し切り。レース後に坂井ジョッキーは「直線での反応が前走とは違っていて、これで負けたら仕方ないと思えるような反応だった」とコメントしています。確かに、前走の紫苑ステークス後に坂井ジョッキーは「反応が素晴らしかったし、もっと楽に(逃げたサウンドビバーチェを)かわせるかなと思ったが、休み明けの分、少しモタモタした」とコメントしています。一方、クビ差2着サウンドビバーチェの横山武史ジョッキーは「楽なペースで逃げて最後に止まるのだから、この距離は長い」とコメントしています。思うに、馬の頑張りと鞍上の感覚は必ずしも一致するとは限らないと思うし、レースぶりも合わせて判断すると紫苑ステークスのスタニングローズ、サウンドビバーチェ及び秋華賞のスタニングローズは、いずれも力を出し切ったと思います。そして、サウンドビバーチェは戦績から判断して怪物ではないと思うので、紫苑ステークスでクビ差で1着となったスタニングローズも怪物ではないと思います。

牝馬3冠制覇を目指したスターズオンアースは、1/2馬身+ハナ差で3着。スタートで後手を踏んで後ろからの競馬になりましたが、直線入り口では力を出し切れば勝ち馬スタニングローズの少なくともクビ差までには迫ることができるポジションにはいたと思います(スターズオンアースも戦績から判断して怪物ではないと思います)。しかし、直線に入って2度進路を切り替えているし、他馬と接触するようなシーンもあったので、完全にはトップスピードに入ることができなかったのではないかと思います。レース後に鞍上のルメールは「ゲートの1歩目が遅く、後ろの位置になってしまった。直線はいい脚を使ってくれたのだけど…。ペースも上がらなかったから、前の馬に届かなかった」とコメントしています。

1/2馬身差2着ナミュールは外でスムーズな競馬ができました。レース後に横山武史ジョッキーは「プラス20キロは成長分。春より馬は良くなっていた。折り合いも雰囲気も良かったが、まだ完成途上で、左に逃げるアンバランスなところがある。一番の勝負どころで、遠心力もついて、左にモタれてしまった」とコメントしています。4コーナーから直線入り口でのことだと思いますが、パトロールビデオを見てもそんなに外に膨らんではいないので、直線で頑張れば力を出し切ることはできたと思います。しかし、怪物ではないスタニングローズに1/2馬身差負けたということは力を出し切っていないということになります。なお、パトロールビデオを見ると、直線でスタニングローズが少し斜行しているのに対し、ナミュールはまっすぐ走っています。

※参考 怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4から1/2馬身(0.1秒)差になります。怪物同士あるいは怪物ではない馬同士が力を出し切った場合、どちらの場合も同着あるいはハナ、アタマ、クビ差(0.0秒差)になります。クビ差は「対象馬のハナ先が1着馬の胸先からアタマの間」と判断しています。そして、ハナ差とクビ差あるいは3/4馬身差と1/2馬身差等は、力を出し切った場合でもペースや位置取りの差等から生じる誤差の範囲内だと思います。なお、馬は体が大きくてパワーがあること等から判断すると、現代の競馬の斤量差では、力を出し切ることすなわち着差に影響を与えることはほとんどないと思っています。ライオンボスとジョーカナチャンがワンツーフィニッシュした韋駄天ステークス2020とアイビスサマーダッシュ2020は、斤量差を度外視できることを証明していると思います。また、JRA田辺裕信ジョッキーは2021年7月に「乗っていて、斤量が軽いからよく動くとか、重いから反応や動きが鈍いと感じることは、ほぼないかな」とコメントしています。