怪物の見分け方(競馬)

怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4〜1/2馬身差になります。怪物の一例は、ディープインパクト、アーモンドアイ、グランアレグリアです。

英チャンピオンステークス2022回顧

バーイードは、昨年のクイーンエリザベス2世ステークス2021で2着パレスピアをクビ差負かしました。パレスピアは、一昨年のジャックルマロワ賞2020で当時G1等で4戦続けて力を出し切ることを続けていたアルパインスターに3/4馬身差つけて1着になったこと等から判断して怪物だと思います(なお、アルパインスターは、ジャックルマロワ賞2020の次に出走したオペラ賞2020(G1)でも1着タルナワの短クビ差2着と力を出し切っています)。そして、今年の活躍も加味して判断するとバーイードも怪物である可能性が高いと思います。今回のレース映像を見ると、9頭立ての最内枠からスタートでやや後手を踏んで、道中は後ろから4頭目くらいの内ラチ沿いに収まって自分からは動けないポジションにいましたが、4コーナー手前辺りで各馬に動きがあったのに乗じて外の方に出すことができているので、自分の力を出し切るために支障のないポジションに付けることができていますが、直線で伸びませんでした。レース後に鞍上のJ.クローリーは「(敗因は)馬場。直線に入っていつもの彼なら反応する、通常の稍重(Good to Soft)ならそうできる所で、そうはならなかった。天気が悪かったよ」とコメントを残しています。なお、今回と同じ競馬場・同じ稍重で行われたクイーンエリザベス2世ステークス2021(1600メートル)のバーイードの勝ち時計は1:42:57です。今回は1990メートルで勝ち時計が2:09:46なので、比較すると、実際は今年の方が馬場が悪かった可能性は十分にあると思います。ちなみに、バーイードは、今年に入って5月14日、6月14日、7月27日とマイルG1をいずれも2着に13/4馬身以上つけて3連勝し、8月17日には2050メートルの英インターナショナルステークス2022を圧勝しました。しかし、力を出し切った馬にとっては前4走は使い詰めなローテーションだと思います(直線で抜け出した後に力をセーブすれば、消耗を抑えることができるかもしれませんが)。今回は10月15日なので前走から約2ヶ月間の間隔が空きましたが、心身どちらかあるいは両面で疲労等が残っていた可能性はあると思います。

今回の勝ち馬ベイブリッジは、道中は逃げ馬直後の内ラチ沿いを通って、4コーナー手前辺りでスペースができてスムーズに追い出すことができています。なお、戦績から判断して怪物ではないだろうと思います。

※参考 怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4から1/2馬身(0.1秒)差になります。怪物同士あるいは怪物ではない馬同士が力を出し切った場合、どちらの場合も同着あるいはハナ、アタマ、クビ差(0.0秒差)になります。クビ差は「対象馬のハナ先が1着馬の胸先からアタマの間」と判断しています。そして、ハナ差とクビ差あるいは3/4馬身差と1/2馬身差等は、力を出し切った場合でもペースや位置取りの差等から生じる誤差の範囲内だと思います。なお、馬は体が大きくてパワーがあること等から判断すると、現代の競馬の斤量差では、力を出し切ることすなわち着差に影響を与えることはほとんどないと思っています。ライオンボスとジョーカナチャンがワンツーフィニッシュした韋駄天ステークス2020とアイビスサマーダッシュ2020は、斤量差を度外視できることを証明していると思います。また、JRA田辺裕信ジョッキーは2021年7月に「乗っていて、斤量が軽いからよく動くとか、重いから反応や動きが鈍いと感じることは、ほぼないかな」とコメントしています。