ヴェラアズールは、スローペースで馬群が固まった中、直線に入っても前が詰まりそうな苦しい位置にいましたが、わずかなスペースを抜けてきて快勝。前走の京都大賞典2022は圧勝だったし、本当に馬が良くなっているのだと思います。シャフリヤールは、外からスムーズに競馬して2着ですが、パトロールビデオを見ると、直線で内に結構斜行しています。一方、ヴェラアズールは、馬群をさばく時以外はまっすぐ走っているので、シャフリヤールの方が斜行の程度が大きいようです。また、ヴェラアズールとシャフリヤールとの着差は、記録上は3/4馬身差ですが、スローVTRを止めてチェックすると、写真の通り実際は1/2馬身差に近いです。もしシャフリヤールが直線でもっとまっすぐ走っていれば、少なくとも1/2馬身差とクビ差の間にはなっていたと思います(クビ差まで迫っていたというのであれば、シャフリヤールは、今回は力を出し切ったと言って良いと思います)。なお、シャフリヤールは、勝利したダービーで2着エフフォーリアとハナ差等の戦績から判断して怪物ではないと思います。以上のことと過去の戦績から判断して、ヴェラアズールも怪物ではないと思います。
※参考 怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4から1/2馬身(0.1秒)差になります。怪物同士あるいは怪物ではない馬同士が力を出し切った場合、どちらの場合も同着あるいはハナ、アタマ、クビ差(0.0秒差)になります。クビ差は「対象馬のハナ先が1着馬の胸先からアタマの間」と判断しています。そして、ハナ差とクビ差あるいは3/4馬身差と1/2馬身差等は、力を出し切った場合でもペースや位置取りの差等から生じる誤差の範囲内だと思います。なお、馬は体が大きくてパワーがあること等から判断すると、現代の競馬の斤量差では、力を出し切ることすなわち着差に影響を与えることはほとんどないと思っています。ライオンボスとジョーカナチャンがワンツーフィニッシュした韋駄天ステークス2020とアイビスサマーダッシュ2020は、斤量差を度外視できることを証明していると思います。また、JRAの田辺裕信ジョッキーは2021年7月に「乗っていて、斤量が軽いからよく動くとか、重いから反応や動きが鈍いと感じることは、ほぼないかな」とコメントしています。