怪物の見分け方(競馬)

怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4〜1/2馬身差になります。怪物の一例は、ディープインパクト、アーモンドアイ、グランアレグリアです。

スピードに乗って慣性の法則状態になれば、斤量差が影響することはあまりないと思います。

角居勝彦元調教師は、2017年10月にネット上の記事の中で「慣性の法則状態になれば3キロ4キロの斤量差で不利を被ることはあまりないはずです」と以下のようにコメントしています。

慣性の法則。難しい定義は省きますが、たとえば摩擦のない氷上を滑る物体は止まらない、といった物理法則です。実際は摩擦力はゼロではないし、物体には重さがあるのでやがては止まりますが、重力の働く方向は鉛直方向で、水平方向 (前進方向)にはその重力はあまり働かないということです。競馬に置き換えると、ラストの直線で氷上のような『慣性の法則状態』に持っていければいい。スピードに乗った馬は、おそらく3キロ4キロの斤量差で不利を被ることはあまりないはずです。ただ、いくつか条件があります。脚元が重要。芝の良馬場、ダートの重馬場など、いわゆる脚抜きの良い状態はいい。『冬場のダートは500キロ超えを狙え』などというのは、馬の重量が不利にならないということ。その論拠は実は慣性の法則だったわけです。そして、トップスピードに入ってからゴールを切るまでの距離が長ければ長いほど、重さはマイナスにはならない。東京や新潟のようにラストの直線が長いコースですね。鞍上の力も必須です。脚抜きが良くてラストの直線でスピードに乗ることができればいいのですが、そうじゃない場合だって数多い。そんな時、(斤量の)重い馬を巧みに走らせてくれる、いわば『慣性の法則状態』に持っていけるジョッキーがいい。馬が走るときの重心に、ジョッキーが自分の体重(つまり斤量)を巧みに合わせる。振り子のように前に振る。本来ならエネルギーがなくなって着地していたはずが、もう半歩だけ延びる。宙を飛んでいるような状態です。そういう騎乗技術が、トップジョッキーの体には染みついているわけです。馬券検討の時、目当ての馬の斤量が大きい場合、距離(直線距離)と馬場状態、そして鞍上に注目すべきでしょう」

※参考※ 怪物と怪物ではない馬が力を出し切った場合、3/4から1/2馬身(0.1秒)差になります。怪物同士あるいは怪物ではない馬同士が力を出し切った場合、どちらの場合も同着あるいはハナ、アタマ、クビ差(0.0秒差)になります。クビ差とは「対象馬のハナ先が1着馬の胸先からアタマの間」と判断しています。そして、ハナ差とクビ差、あるいは3/4馬身差と1/2馬身差等を同等と考えるのは、力を出し切った場合でもペースや位置取りの差等から生じる誤差の範囲内だと思うからです。なお、馬は体が大きくてパワーがあることや慣性の法則から判断すると、現代の競馬の斤量差では、力を出し切ること、すなわち着差に影響を与えることはあまりないと思っています。ライオンボスとジョーカナチャンがワンツーフィニッシュした韋駄天ステークス2020とアイビスサマーダッシュ2020は、斤量差を度外視できることを証明していると思います。また、JRA田辺裕信ジョッキーは2021年7月に「乗っていて、斤量が軽いからよく動くとか、重いから反応や動きが鈍いと感じることは、ほぼないかな」とコメントしています。